米Googleは現地時間の10月8日、コマンドラインツール「Gemini CLI」に拡張機能(extensions)の仕組みを導入したことを発表した。
これにより、ユーザーは外部ツールを「Gemini CLI」に接続して直接利用できるようになり、ワークフローの柔軟性と利便性が向上する。
以下を参考にしています

Gemini CLI 拡張機能 (Extensions) とは
Gemini CLI の「拡張機能 (extensions)」は、CLI ツールをより柔軟に、そして自分の利用スタイルや既存ワークフローに“組み込む”ことを可能にする仕組みです。
外部ツール(データベース、デザインプラットフォーム、決済サービスなど)と Gemini CLI を結びつけ、ターミナル上で自然に連携できるようにします。
拡張機能を使うことで、以下が可能になります:
- 外部ツールを直接操作するプロンプト“プレイブック (playbook)”を備えた統合
- ターミナル → 他ツールへの文脈スイッチを減らし、CLI中心で作業完結
- GitHub リポジトリやローカルパスから容易に導入可能な拡張のエコシステム
拡張機能を使うメリット
拡張機能を導入することで、以下のような利点が得られます:
- 日常的に使うツールとの連携がCLIから一発で可能
例:Postman、Snyk、Stripe、Figma、Elastic などと統合し、gemini からそれらを直接操作できるようになる -
AIがそのツールの文脈・操作方法を学んだ“プレイブック”付き
初期セットアップや操作フローが不要、拡張をインストールするだけで使い始められる設計 -
カスタムコマンド / MCP サーバ / コンテキストファイルなどによる柔軟性
自分のプロジェクトや組織の使い方に合わせて、拡張を作成・調整できる -
統一された CLI 体験
Gemini CLI 本体と拡張が自然に統合されることで、UX や操作感が一貫する
拡張機能の使い方(導入〜利用)
拡張のインストール
拡張を追加するには、以下のようなコマンドを使います:
gemini extensions install <GitHub URL または ローカルパス>
このコマンドで、指定した拡張が Gemini CLI に組み込まれ、すぐに使えるようになります。
利用可能な拡張例(Google+パートナー/OSS)
以下は、Gemini CLI で利用できる代表的な拡張の例です:
GKE extension:Kubernetes クラスタ管理、ノード状況確認、デプロイ等
gcloud extension:Google Cloud 操作の CLI 統合
Google Maps Platform extension:地図情報の取得・埋め込み
Code Review extension:コードレビュー支援
Security extension:脆弱性検出
Figma extension:デザイン情報とコードの整合性チェック・抽出
Postman extension:Postman コレクション・環境を CLI から操作
Stripe extension:Stripe API にアクセスして決済や関連情報操作
これらを組み合わせることで、Gemini を中心とした自動化された開発プラットフォームが構築可能になります。
拡張機能を使った “実践的なワークフロー” の例
以下は、拡張を活用して Gemini CLI を中心に据えた開発/CI/レビュー/テスト の流れを構成する例です。
例:Postman + Code Review + Security 拡張を組み込んだ開発フロー
gemini extensions install <Postman 拡張リポジトリ URL>
gemini ask "この Postman コレクションから利用可能な API を生成して" --with postman
gemini ask "変更差分をレビューして指摘してください" --with code-review
gemini ask "セキュリティ上の脆弱なコードがないかチェックして" --with security
ポイント:
gemini CLI + 拡張で、API生成、コードレビュー、セキュリティチェックまでターミナル上で完結
CI/CD パイプラインに組み込めば、開発からリリースまで自動化可能
例:Figma 拡張でデザイン → 実装コード同期
gemini extensions install <Figma 拡張リポジトリ URL>
gemini ask "この Figma フレームから対応する React コンポーネントを生成して" --with figma
ポイント:
デザインとコードの同期をリアルタイムで実施
修正や確認作業も CLI 上で完結できるため、デザイナー・エンジニア間の手戻りを最小化
拡張機能を自作する/コミュニティに参加する方法
拡張は、オープンエコシステムとして誰でも開発可能です。以下の手順やポイントがあります:
- テンプレート/スタータガイドを利用
Gemini CLI の公式サイトに、拡張のテンプレートやステップバイステップガイドが用意されている(例:GitHub リポジトリ、公式ドキュメント) -
必要要素を理解する
- MCP サーバ(外部ツールとの接続)
- コンテキストファイル(ツールの使い方をモデルに教える)
- カスタムコマンド(複雑な操作をシンプルな CLI コマンドに抽象化)
- 拡張を公開 / 共有する
- GitHub にリポジトリを作成
- Gemini CLI エコシステムに追加して、他の開発者にも使ってもらう
注意点・ベストプラクティス
拡張を利用・開発する際には以下にも留意するとよいでしょう:
- 拡張が依存する外部サービスの認証や権限管理
- モデルの文脈 (プロンプト・コンテキスト) と拡張が齟齬を起こさないように設計
- 拡張のバージョン管理・互換性チェック(Gemini CLI 本体の更新との整合性)
まとめ
Gemini CLI の拡張機能は、単にAIでコード生成をターミナルに持ち込むだけでなく、既存ツールやワークフローと自然に統合できる強力な仕組み*です。
拡張を活用すれば、CLIベースでの開発・レビュー・デプロイ・デザイン同期・セキュリティチェックなどを一貫して行えるようになり、開発体験がより高速かつスマートになります。



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